07. 粘り強く生き続ける

いじめトラウマを生き抜く方法

過去のいじめで苦しんでいる(いじめ後遺症の)あなたへ。いじめ後遺症うつ病者本人が、自身の、いじめ体験・いじめトラウマ体験・うつ病闘病体験について語ります。いかにトラウマを生き抜くかを考えます。いじめ自助グループ、トラウマ無料スカイプ相談など。

07. 粘り強く生き続ける

トラウマを生き抜くことの本体は、①トラウマに気づく②援助を求める③居場所を見つける④リハビリを続ける、の対処をしながら、とにかく粘り強く生き続けることなのです。

 

このことに関して、19世紀の哲学者ヘーゲルのいう「量による質的変化」という現実理解が示唆を与えてくれます。つまり量をこなしてゆくと、ある時、その質に変化が起きる、というものです。

 

わたしは演劇をやっているので、その例で説明すると、大根役者といわれている俳優でも、地道にこつこつと、いい役者になるための努力、つまり稽古をさぼらずに続けてゆくと、ある時、ぱっと、人の心を動かすような花のある演技ができるようになる、といった感じです。演技の下手な素質のあまりないような人であっても、ひたすら稽古(もちろん正しい稽古)を量をこなして積んでゆけば、ある時その質が、つまり演技が飛躍的に良くなる(ことがある)ということです。

 

これは人生においてもいえることなのです。

今どんなに苦しくても、先が見えなくても、絶望感や自己否定感に打ちひしがれていても、とにかく生き続けてゆけば、人生の量を増やしてゆけば、必ず心境の変化が起きるということです。

 

今までゆるせなかったことが、ゆるせるようになる。

今まで意味がないと思っていたものに、価値を見出せるようになる。

絶望的な気分だけだった状態から、楽観的な気分も持てるようになる。

人生は地獄だとしか感じられなかったのが、人生の中に楽しみを見出せるようになる。

 

これらの変化は、誰かに教えてもらったり、頭で理解して、生じるものではありません。それは、人生の量をこなしていった結果訪れる、心境の質的変化(飛躍)のことなのです。

 

量とは、どれだけ人生を長く生きたか(できれば正しいやり方で)、ということです。

 

だからとにかく生き続けてください。時間を稼いでください。

 

そして粘り強く生き続けた結果として、膨大な時間を費やし、たくさんのリハビリの果てにやってくるのが、トラウマの真の意味での克服という事態なのです、それはまた同時に人生というものの一つのゴールなのですが、そしてそれはまた、一つの奇跡のことなのですが、つまりそれは、あるがままの自分・現実を、かけがえのない存在として、無条件に、そして誇りをもって、愛することができるようになる、 という事態のことなのです。そしてその時には、いじめ体験は、あなたが生きる上でもう問題ではなくなっていることでしょう。

 

しかしわたし達はゴールを先取りして、いい気分になっているわけにはゆきません。なぜならそんな気分は、現実の苦しさの中で、あっさり吹き飛んでしまうからです。私たちができることは、この苦悩の嵐の中にあっても、とにかく粘り強く生き続けること、つまりトラウマを生き抜くことただそれだけなのです。そしてそれだけがトラウマを克服する唯一の真実の道なのです。そういう現実を理解しているということが、トラウマを生き抜くということのもう一つの意味でもあるのです。

 

苦悩のただ中にあって、絶望されていることでしょう、先が全く見えずとても苦しいでしょう。しかしわたしは言います、

 

とにかく生き続けてください、時間を稼いでください、いつか必ずゴールは来ます。

 

わたしは、やはり、奇跡を信じ、希望を捨てないほうを選ぶのです。

 

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トピック⑦トラウマを生き抜く