こうして親と勉強との天びんが、勉強と休学のリスクとの天びんに変わりました。これ以上病気のために勉強の時間を奪われたくないという気持ちと、休学したらダメになってしまうのではないかという不安の中で僕は苦しみました。この2つのことで僕は最後まで悩みました。
学事部に行って休学届けをもらってきて、その書類に必要事項も書きこみ、後はそれを提出するだけというところまで来ました。もう、明日から前期の授業が始まるというところまで来ました。依然として「うつ状態」も続いており、それがなおさら僕の決断を鈍らせました。その日は家で一人で半日布団に入ってどうしようか迷っていました。この調子の悪い状態で大学に行くのも忍びない、かといえ、休学してしまったら、さらにいじけてしまってダメになってしまうのでは、という不安もつのり、その内で苦しみました。
そうして半日迷ったあげく、結局初めの決断を翻して、休学しないことにしました。最後にはやはり不安が勝ったのでした。そう決めたとたん少し気が楽になりました。その日は一日中ずっと家で寝込んでいました。そして、翌日今度は休学しないということを両親や大学の先生、伊藤先生に言いました。そのときは、少し調子がよくなっていたのかもしれません。なんだか少しやれそうな気になって来ました。何とかなるのではないか、と思いました。そして、再び今年いっぱいくらいにはよくなっているだろうと期待しました。
しかし、そうしたことはすべて打ち破られました。病状はちっともよくならず、横ばい状態でした。