26. 友達が作れない

いじめトラウマを生き抜く方法

過去のいじめで苦しんでいる(いじめ後遺症の)あなたへ。いじめ後遺症うつ病者本人が、自身の、いじめ体験・いじめトラウマ体験・うつ病闘病体験について語ります。いかにトラウマを生き抜くかを考えます。いじめ自助グループ、トラウマ無料スカイプ相談など。

26. 友達が作れない

いよいよ予備校生活が始まりました。しかし、以前のような元気もなく、目標もなく、ただ周りの状況に流されている、というような生活でした。勉強しようとしても、もう自分がダメ人間であると決まってしまった以上、すべてのことは無意味に思えました。そうした状況の中で、予備校が始まったのです。始まるとすぐに1つの困難に出会いました。それは、友達ができないということでした。始めはやはりみんな知らない人同士なので、別々に行動している人が多かったのですが、10日たち、1か月たちという風に時が経つにつれ、同じクラスの中に、友達やグループができ始めました。朝、教室に入ってくると、友達に「おはよう」と言ったり、休み時間などみんなで話し合ったりすることが多く見られるようになってきました。そうした中でわたしはいつも1人でした。情けない話ですが友達が作れないのです。何かきっかけを見つけて仲間に入れてもらいたいと思うのですが、やっと話ができたと思っても、妙にギクシャクして、それっきりなのです。苦しいことに、一言か二言話してしまうと、次の日にかえって話しづらくなるのです。かえってその人に対し自閉的になってしまうのです。だから何かきっかけがあったとしても、ほとんどそれは友達作りにはつながらないのでした。高校の時と状況は違いました。このときのことを思うと本当に高校の時のクラスはラッキーだったと思います。佐々木さんと田辺さんというわたしの自閉性や劣等感を感じさせない友人が与えられたからです。しかし、これは本当にラッキーなことだったのです。この時、予備校のクラスにおいてそういう人は1人もいなかったのです。佐々木さんと田辺さんという個性的な人格にあって初めてわたしは高校時代友達を作ることができましたが、予備校のクラスではわたしのこの自閉性や劣等感を受け止めてくれるような人はいなかったのでした。

 

しかし、これは特別異常な事態ではないのだと思います。積極的に相手に話しかけ、自分を開いてゆく人に友達ができ、一方、自閉的で暗い人間に友達ができないというのは、それ自体ごく当たり前のことなのです。だから、友達が作りたいのなら、明るく積極的になればいいのです。しかし、当時のわたしには、それはできませんでした。劣等感と恐怖心に打ちひしがれていたわたしには、自分から積極的に心を開いてゆくことなどできませんでした。そうして、それがますますわたしに予備校に行く気をなくさせ、勉強ができなくなってゆきました。実際わたしは浪人時代では、現役時代の半分も勉強できなかったと思います。こうした、つらい状況の中で、わたしの予備校前期は過ぎて行ったのでした。

 

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