最後にもう一つだけ、トラウマの真実について書いておきます。
人は、トラウマの内にある間は、自分が傷ついているということすら自覚することができない、ということです。
つまり、傷ついて、現実理解が歪んでしまった人にとっては、その歪んでしまった現実理解が真実なのであって、当然それを歪んでいるとは認識できないのです。
事実わたしは、自分が歪んだ現実理解を持っている、つまり傷ついていると自覚するのにいじめられてから精神科にゆくまで7年の歳月を必要としました。それまでは、とにかく苦しいけど、自分が傷ついているとは思いつかなかったのです、そして傷ついているからケアしてもらう必要があるとはわからなかったのです。残念なことに、深く傷ついていればいる程、自分の傷がわからないものです。つまり自分がケアが必要であるということに気付かないのです。
傷ついている人にとっては、それを自覚することがそこから抜け出すための第一歩となるのです。
自分で自分のことを傷ついていると気づくことができたら既にその人は、半分くらいその傷から抜け出せているということができるでしょう。
どうかまず自分が傷ついているということに気づいてあげてください。