こうして、大学2年の5月以降、精神科に通う闘病生活が始まりました。これは現在まで続いています(※)。わたしはいまこの文章を「うつ状態」の中で書いているのです。
(※)わたしが23歳の時、1995年ごろのことです。
初めて薬をもらった時は、1日10錠ほどだったと思います。それを1カ月分もらったのですが、それからすぐその後にまた病院に駆け込むことになりました。わたしは薬を飲めばすぐに良くなると思っていたのです。しかし、実際に飲んでみると、よくなるどころかさらに体調が悪くなってしまったからです。それでわたしはたまらなくなって、再び3日後精神科に行ったのでした。そして、その時の状況を訴えると、伊藤先生は次のように答えました、
「抗うつ薬というのは強い薬なので、初めは副作用が出てしまうのですよ。それからこの薬は飲んですぐ効くというものではないのですよ。月単位で少しずつよくなってゆくのですよ、だからもう少し我慢してください」。
わたしは少々がっかりしました。薬さえ飲めばすぐに楽になれると思っていたのです。しかし、それは甘い考えでした。そんな簡単に治るような病気ではなかったのです。
それで結局薬をもらった最初の一週間位は、家でずっと寝込んでいました。一週間位たってなんとか外に出れるようになりました。それでとりあえず大学に行って、小林先生には精神科で治療を受けているということを話しました。そして、この1~2カ月のわたしの体調の悪さは、「うつ状態」のせいだったということも伝えました。もちろん精神科に行ってすべてが解決された訳ではありませんが、とりあえず小林先生の研究室通いは、ひとまず落ち着きました。しかし、月に一度や二度は必ず小林先生を訪ね、苦しさの原因について話し合いました。