わたしは、高校入試で4つの高校を受けました。すべり止め校として一校、第一志望が第1一、そしていわば挑戦校として、二校受けたのです。挑戦校とは、海城高校と早稲田大学高等学院でした。いまから考えればやはり無謀だったと思いますが、担任の先生などにおだてられて、もしかしたら思い受けてみようと思いました。
そして同時に「彼」に、頭の悪いお前なんか絶対無理だ、と言われていたので、なんかとラッキーででも受かって、見返してやりたいと思う気持ちもあったので、第一志望は都立戸山高校であったにもかかわらず、私立の難関校向けの勉強をしていました。
都立校入試の勉強と私立高向けの勉強とはかなり違うのです。都立が第一志望だと分かっていながら、つい私立高受験のための勉強に力を入れてしまいました。しかし、今振り返ってみると、やはりどう考えてもわたしが早大学院に受かるのは無理でした。早大学院クラスの学校に受かるには、もう中1の時点からそれに向けたカリキュラムで勉強しなければならないのです。わたしのように公立中学校の学校の勉強しかやっていなかった人間が、中3になってからいきなり難関校向けの勉強をやっても、とても一年間で合格できるものではないのです。もちろん中には頭のいい人もいて、たった一年でそこまでのレベルに到達できる人もいるでしょうが、それはかなり頭の質のよい人だと思います。実際、そこそこ頭のよい人が、中学1年の時から真面目に勉強して、やっと合格することができるのです。それをわたしのように全く平凡な知能しか持ち合せていない人間が、1年間私立向けの勉強をしたとしても、とても無理なことだったのです。だからわたしが早大学院を目指すということに関しては、担任の先生よりも「彼」の方が正しい認識をもっていたと言えると思います。
早大学院は、結果はやはりだめでした。海城高校は、早大学院よりも少しレベルが下がる(当時)ので、もしかしたらと思いましたがだめでした。
海城高校に落ちたことを「彼」に言うと、「予想以上にお前、頭が悪かったな」と言われました。