09. 精神科受診

いじめトラウマを生き抜く方法

過去のいじめで苦しんでいる(いじめ後遺症の)あなたへ。いじめ後遺症うつ病者本人が、自身の、いじめ体験・いじめトラウマ体験・うつ病闘病体験について語ります。いかにトラウマを生き抜くかを考えます。いじめ自助グループ、トラウマ無料スカイプ相談など。

09. 精神科受診

こうして、小林先生との話し合い、そして佐々木さんの思いやりある対応のおかげで、5月の終わりごろまでかろうじて生き延びることができました。しかし依然として苦しみは治まりませんでした。そして、大学をやめようという気持ちはますます強くなってゆきました。

 

わたしはそのころほとんど家にいて、寝込んでいました。そして、あるときたまたま本箱に入っていた、上智大学の保健センターが出していた『メンタルヘルス』という冊子に目が行きました。これはほとんど運命的な出会いだったと思います。この冊子との出会いがなかったら、わたしは大学をやめていたかもしれません。生きていなかったかもしれません。わたしはこの冊子を取りだして、何か助けになることはないかと思って、目次を見まわしました。そこには、幾つかのわたしの目を引く項目が挙げられていました。「不眠症」、「対人恐怖」、「ノイローゼ」、「うつ状態」、「自殺について」、「心の薬」などなどこれはもしかしたらわたしにも当てはまるのでは、という項目がいくつかありました。わたしは急いでそれらの箇所を読みあさりました。そして、そのときわたしは初めて「うつ状態」という病気を知りました。それはまさにわたしにぴったりでした。しかもこの病気には、抗うつ薬というものがあって、それがよく効くということも書いてありました。これを読んでわたしは、これしかないと思いました。わたしはそのとき初めて精神科に行こうと思いました。精神科にゆけば救われるはずだ、と確信しました。

 

そうして翌日、上智大の保健センターをたずねました。しかし、その日は金曜日でした。精神科の医師が週に一度大学の保健センターに来てくれるのですが、それは木曜日だったのです。だから受付で来週の木曜日に来てくれと言われました。しかし、わたしは来週の木曜日まで待つことはできませんでした。苦しさはピークに達していたのです。受付の人に待てないと訴えると、その精神科の医師がふだん勤めている病院を教えてくれました。そして翌日の土曜日、わたしは急いでその下落合にある病院に駆け込んだのでした。
しかし、初診の場合は後回しにされるので、随分待ちました。そしてやっと医師に診察してもらえる時が来ました。その担当の医師が伊藤先生でした。伊藤先生とは大学2年の6月以降現在(3年生の3月、この文章を書いた当時)に至るまで(そしてこれから(それから)も)長く付き合うことになったのです。

 

前に戻る |  続きを読む

トピック④うつ病闘病体験に戻る