14. 独り言癖

いじめトラウマを生き抜く方法

過去のいじめで苦しんでいる(いじめ後遺症の)あなたへ。いじめ後遺症うつ病者本人が、自身の、いじめ体験・いじめトラウマ体験・うつ病闘病体験について語ります。いかにトラウマを生き抜くかを考えます。いじめ自助グループ、トラウマ無料スカイプ相談など。

14. 独り言癖

高校2年の冬ころだったと思います。わたしは独り言を言うようになりました。うちの演劇部は大変公演回数が多く、忙しいのですが、1月は1年生公演として、1年生だけでやることになっていたので、わたしたち2年生はしばらくお休みでした。今までずっと公演続きで、自己を表現する場が常にあったのですが、その時は約5か月間位そういう場がなくなっていました。普段の日常生活、教室を中心とした生活の中では、わたしは非常に自閉的で、人としゃべることはほとんどできませんでした。なんといっても芝居は、わたしの唯一の自己表現の場・人との交流の場であったのです。そして、その場がなくなった時、わたしはどうしたかというと、独り言を始めたのです。これはほとんど必然的のように思われました。現実に具体的な人と話ができない以上、そうするほかしょうがありませんでした。話し相手がわたしの前にいると仮定して、それに向かって話をするのです。だれとも話をすることのなくなってしまったわたしにとって、当時それは当然の流れでした。わたしは現実に周りにいる様々な人々に登場してもらって、現実には言えないことをその人たちに向かって話していたのです。

 

これは自閉的な、そして表現する場のない人間に起こる必然的な現象のひとつなのではないかと思います。

独り言をする場所は、一番多いのは夜の公園でした。わたしは1年生の後半くらいから、よく夜散歩に公園に出かけました。その公園で独り言をえんえんと30~60分位言い続けるのです。独り言なのに、相手に怒ってみたり、笑ってみたり、照れてみたりするのです。知らない人が見たらさぞかし不気味だったろうと思います。その他では、どこでもするのですが、わたしは自転車通学していたので、その間とか、家ではトイレとか風呂場でよく独り言を言いました。家の人などにも、たまにわたしが独り言を言っているのを聞かれて、おかしな子、と思われることもありました。

 

この独り言癖は、それから現在に至るまでずっと続いています。1時期ほどではないですが、今でもよく独り言を言うのです。変な奴と思われるかも知れませんが、これが自閉的になってしまった人間の取る1つの道であることは確かなのだと思います。

 

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