06. 闘病生活における悟り・・・トラウマは一生もの

いじめトラウマを生き抜く方法

過去のいじめで苦しんでいる(いじめ後遺症の)あなたへ。いじめ後遺症うつ病者本人が、自身の、いじめ体験・いじめトラウマ体験・うつ病闘病体験について語ります。いかにトラウマを生き抜くかを考えます。いじめ自助グループ、トラウマ無料スカイプ相談など。

06. 闘病生活における悟り・・・トラウマは一生もの

わたしがいじめを受けたのが、中学3年生15才の時、あれから22年の時がたちました。幸い13年目にして、いじめ後から脱することができましたので、それ以降トラウマそのものによって悩まされること(自己否定地獄)はなくなりましたが、21才の時に初めて処方された抗うつ剤は、量や種類は減ったものの、いまだ服用し続け、月に一回の精神科通いはずっとつづいています。もう16年になります。

 

そしてこの5年ほど、同じ量、同じ種類の薬で安定していますが、その間、何度も薬を減らす工夫をしてきましたが、どの薬を減らしてもどこか具合が悪くなり、すぐに元に戻すことを繰り返してきました。精神的には20代の時と比べると信じられないくらい幸福になりましたが、精神科の医師からは、残念ながら今の量薬を服用しなければならいない以上、あなたのうつ病は寛解とはいえない、あなたは現在もうつ病を患っている、と診断されています。

 

それともう一つ原因不明の障害が残っています。筋肉に負担をかけるようなことをすると、すぐに息が切れて過呼吸になってしまうのです。例えば筋トレとか、重いものを運んだりすると、すぐ息が切れてダウンしてしまうのです。無理してそのまま続けると過呼吸状態になります(過去30分間過呼吸状態がつづいたことがあります)。

 

精神科・心療内科・神経内科など様々な診療科を回りましたが、結局診断がつかず、よって原因も治療法もわかりません。わたしは中学校の時に柔道初段を取得し、高校時代は演劇部であるにも関わらず毎日早朝高校の周りをジョギングしていたこともあった位ですから、自分の身体能力は本来正常だと思っています。

 

おかしくなったのに気づいたのは、精神科に通い始めて2、3年目のことだったと思います。間違いなく、うつ病及びPTSDとそれに対する薬物治療が関与していると思うのですが、医師たちに聞いてみても、前例がないということで診断も治療もしていただけない状況が続いています。

 

トラウマによる自己否定地獄からは解放されましたが、依然としてわたしの人生には、いじめ体験・トラウマ体験の影がつきまとっています。もちろんできることならうつ病を治したいし、抗うつ剤は飲まなくて済むようになりたい。以前のように筋トレやジョギングなどをして体を鍛え、体力をつけ、失われた身体能力を取り戻したいと強く思います。

 

しかしその一方で、次のように考えるようになったのです、

ある自助グループの仲間が言っていました、

「トラウマは一生もの」

『真昼の悪魔』の著者は言っています、

「わたしは抗うつ剤を一生飲み続ける」

 

トラウマも障害も病気も、いつ治癒し回復するかわからない、それは10年後かもしれないし、20年後かもしれないし、30年後かもしれない。そう考えた時、いつしかわたしは上に挙げた仲間のように、トラウマに対して次のような覚悟をもつようになったのです。

 

トラウマは、一生付き合ってゆかなければならないものだ、

わたしは一生うつ病から逃れられないかもしれない、だからわたしは抗うつ剤を一生飲み続けるし、自分の中に残ってしまった症状があるならば、それを自分の障害として人生を通して付き合ってゆこう、と。

 

これが闘病生活の中に今もいるわたしが辿り着いた一つの結論です。

それは『デミアン』の著者にならってこうもいえるかもしれません、

 

トラウマ体験・闘病生活は、わたしの人生の中の一種の脱線ではなく、その全体がわたしが引き受けるべき運命そのものなのだ、と。

そしてトラウマ体験や闘病生活は、決して、わたしの人生そのものを傷つけることなどできず、むしろそれを自分の運命として受け入れ、それと共に生きてゆくところにこそ、わたしの絶対的なそして最高度の自己実現の可能性が開かれているのだ、と。

人は現実を受け入れて、自分になるのだから。

 

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